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COLUMN

映画のような閑けさ。『鈍考』で己を律する。

非現実的な美しい世界で、思考をリセット。

日常から隔離された贅沢な空間

叡電『三宅八幡』のエリアに
独特なコンセプトのカフェが誕生したらしいと
雑誌で知った私は、早速妄想を膨らませました。
 
美しい建造物…、私設の図書室…、思考が鈍くなる…
 
うわー!どんな感じだ!行ってみたい!と思いつつ…
 
鈍考は、興味本位でしかない人間をまるで遠ざけるかのように、
かなり高い敷居を設けているため、なかなか予約を決意できず。
 
「三宅八幡に、素敵なカフェが出来たらしいですよ」
 
…と、行ってもいないクセに、なぜか人にまで薦め始める始末。
 
それでも、猛暑が来る前の
新緑が美しい、初夏の間に
やはり一度は行っておこう!と思い立った私。
 

思考が鈍くなる感覚を味わえる

 

鈍考

鈍考は、入口に設置された暗証番号を入力して入館するという
秘密結社のようなシステム。
 
しかし…
事前にショートメッセージで送られて来た手順を
指示通りに実行するも、全くカギが開いてくれず。
 
ガチャ…ガチャ!と手こずっている音を立てていたら
 
かちゃ
 
と向こう側から、ゆっくり扉が開かれました。
 
「あ、スミマセン…!」と
 
思わずいつもの感じでヘラッ…と声を出したのですが
それが、場違いな声の大きさであることを
一瞬にして思い知らされました。

 

鈍考


 
白装束のような繊細な服を身に纏った、美しいお姉さんは、
おそらく、鈍考内の喫茶店『芳』の店主さんなのでしょう。
 
女優の、緒川たまきのような、草刈民代のような、
何とも言えない凛とした雰囲気を放っていました。
 
一つ一つの所作がとても綺麗で
映画の撮影中なのかな?と錯覚しそうになるほど。
 
「この人は、家でもずっと正座してるのかな…?」
 
そんなことを考えながら私は本を選び始めました。
 

鈍考


なんとなく手に取ったのは、建築や料理の本。
 
予約した時間内は、基本的に撮影禁止なので
私が、読んだ本や、飲んだお茶…
食べたプリンの写真は残っていないのですが。
 
自然とスマホに手が伸びなくなる…
そんな不思議な感覚になりました。

 

鈍考


 
BGMはなく
風の音や、水の音が
微かに聴こえるだけ…
 
目の前の森林が、時々サーッと揺れたり
珈琲を淹れる器が、カチャッと鳴ったり…
 
リラックスしたり、脱力したりするために
ここを訪れるのは、違うのかもしれません。
 
鈍考の空気には、むしろ緊張感すらありました。
 
己を律したい時、内面を整えたい時。
 
日常をリセットし
波動の高い自分に生まれ変わりたい…
 
そんな時にこそ、鈍考を訪れると良いでしょう。
 
私もいつか、こんな空間を
プロデュースしてみたいな…

 


 

sunawamakiさん
written by『sunawa』

WhateverShimogamo にある占いサロン『或庭』の鑑定師で、Whatever のメディアパートナー。電子音楽系ミュージシャン『sunawamaki』として、楽曲の配信も行っている。お笑いが好きで、NSCに入学したことも。お気に入りは、ゼルダの伝説、Bjork、チーズケーキ。

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