COLUMN
大文字山に、呑み込まれる。
京都にいる奇跡を実感させてくれる。
京都が誇る、美しい景色と言えば、
大文字山の『大』の文字でしょう。
私は、左京区に引っ越して来てから
住む家を選ぶ時には、部屋の窓から
『大』が見えるかどうかを、重要視してきました。
山肌に、あんなに大きく文字を描くなんて
どう考えても、世界観がどうかしています。
そんなクレイジーな山は、世界にも類を見ません!
あの『大』を眺めている時…
私は京都で暮らせていることへの
感謝や奇跡を、実感できるのです。
私の家の窓からは
大文字山が見える…どころか
角度によっては、大文字山しか見えません。
そんな大文字山ですが
毎年、8月16日には送り火があり
大の文字が美しく燃え上がります。
WhateverEASTの屋上からも
『大』が真正面に見えますよ!
美しく、そして畏ろしき、大文字山。
ところで…
大文字山には
登ることもできるって知っていましたか?
山としてはそこまで高い方ではないので
小学生くらいであっても、ハイキングで
気軽に登れるような山だという話を聞き…
完全に舐めきっていた私は
母と2人、観光気分で登山口へ行きました。
たしかに、大文字山の『大』の文字までは
誰でも割と楽に登ることができるでしょう。
登山道がしっかり整備されているので、
初心者でも迷うことなく辿り着けます。
しかし、問題はそこから。
せっかくここまで来たし
山頂にも行ってみたいな…
その甘い考え方が、終わりの始まりでした。
大文字山の『大』より上は
ガチ中のガチ山…
マジのガチの本物のヤバイ山ですので
絶対に一人で立ち入らないでください。
ここから私は、神隠しのような
危険な目に遭ってしまうことに…
山頂までの道を進む時には
前にたまたま登山者がいて
その後をつけていくだけで
運良く、辿り着けたんです。
この景色にもすっかり満足したし
そろそろ下山しようかなという時…
悲劇は幕を開けたのでした。
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